○出雲崎町監査基準
平成6年3月10日
監査告示第2号
第1章 総則
第1節 一般基準
(目的)
第1条 この基準は、地方自治法(以下「法」という。)及び地方公営企業法の規定に基づいて監査委員が行う監査、検査及び審査(以下「監査等」という。)の実施に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(基本方針)
第2条 監査委員は、監査等を実施するに当たっては、町の財務に関する事務の執行及び町の経営に係る事業の管理又は町の事務若しくは法定受託事務(地方自治法施行令第140条の5に定める事務を除く。)の執行(以下「事務事業の執行」という。)が、法第2条第14項の規定の趣旨にのっとってなされているかどうかに、特に、意を用いなければならない。
(監査委員の使命)
第3条 監査委員は、法令により定められた権限に基づいて、事務事業の執行について監査等を実施し、その結果に関する報告を決定し、これを提出し、及び公表するなどにより、民主的かつ効率的な行政の執行確保に資し、もって住民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与するものとする。
(監査委員の責務)
第4条 監査委員は、町の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有し、その職務を遂行するに当たっては、常に公正不遍の態度を保持して、監査等を実施しなければならない。
2 監査委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
3 監査委員は、適切な監査計画に基づいて、監査委員の職務を補助する職員(以下「事務補助職員」という。)に対して必要な指示をしなければならない。
(事務補助職員心得)
第5条 事務補助職員は、職務の遂行に当たっては、特に、次の各号に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 職責の重大性にかんがみ、常に研修に心がけ、法令、条例、規則等(以下「法令等」という。)に精通するとともに、絶えず町政の現状を配意し、監査等の参考となるような資料の収集に務めること。
(2) 監査等の実施に当たっては、監査委員の監査方針に従い、監査対象についてあらかじめ十分研究すること。
(3) 監査等の実施に当たっては、常に公平謙虚な心構えを持ち、能率的に実施すること。また、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様であること。
(4) 監査等の進捗状況は、絶えず上司に報告し、重要事項その他疑義のある事項については、その都度指示を受けること。
(5) 監査等の終了後は、速やかに復命書を作成し、監査委員に復命すること。
(6) 復命書は、事実の記載を主とし、自己の主観的判断を避け、要領よく、かつ精密に記録すること。
第2節 実施基準
(実施の基本基準)
第6条 監査等の実施に当たっては、事務事業の執行が予算及び議決並びに法令等に基づいて行われているかに留意し、積極的、指導的に実施しなければならない。
(計画的な監査等の実施)
第7条 監査等を効率的かつ効果的に実施するため、年間監査計画を策定するとともに、適切な実施計画を作成し、これに基づいて秩序整然と、適時に実施しなければならない。
(監査等の調整)
第8条 監査等は、計画の策定及び実施等に当たって、相互に有機的な関連を持たせ、総合して成果が上がるように調整運用しなければならない。
(監査手続の適用の基準)
第9条 監査手続の適用は、監査等の種類、対象、目的、内部牽制組織及び内部監査(内部考査)の信頼性の程度を勘案して、試査又は精査による。試査による場合はその範囲を合理的に決定しなければならない。
2 試査は、監査等の対象となっている事項について、その一部を抽出して調査し、その結果によって、全体の正否又は適否を推定するものとする。
3 精査は、監査等の対象なっている事項について、違法、不正その他例外事項を発見し、又は問題点等を明らかにするため、全部にわたり精密に調査するものとする。
(合理的証拠確保の基準)
第10条 監査委員は、監査項目の重要性、相対的危険性その他の諸要素を十分考慮して、合理的な証拠を入手するまで監査等を実施しなければならない。
第3節 報告基準
(報告の提出及び公表)
第11条 監査又は検査を終了したときは、法第199条第9項等の規定により、監査又は検査の結果に関する報告を議会及び町長並びに関係のある行政委員会等に提出しなければならない。
2 職員の賠償責任の免除について、町長から意見を求められたときは、法第243条の2第4項後段の規定による意見を提出する。
(決算審査等意見の提出)
第13条 決算審査及び基金の運用状況審査を終了したときは、審査意見を町長に提出する。
(住民監査請求の監査結果及び勧告)
第14条 住民監査請求に基づく監査を実施した結果、請求に理由がないと認めるときは、理由を付して請求人に通知するとともに、これを公表し、請求に理由があると認めるときは、町長等に期間を示して必要な措置を構ずべきことを勧告するとともに、これを請求人に通知し、かつ、公表しなければならない。
2 前項の勧告に基づき、町長等から必要な措置を構じた旨通知があったときは、これを請求人に通知し、かつ、公表しなければならない。
3 公表の方法については、第11条第2項後段の規定を準用する。
(報告の提出等以前の周知の禁止)
第16条 監査等の結果は、原則として、報告又は意見の提出等以前に、町長又は関係のある行政委員会等の関係者以外の者に知らせてはならない。
第2章 監査等の実施
第1節 監査等の種類
(監査)
第17条 監査の種類は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 定期監査(法第199条第4項の規定による監査)
毎会計年度少なくとも1回以上期日を定めて、次の事項について行うもの
ア 町の財務に関する事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
イ 町の経営に係る事業の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 随時監査(法第199条第5項の規定による監査)
必要があると認めるとき、定期監査に準じて実施するもの
(3) 行政監査(法第199条第2項の規定による監査)
必要があると認めるとき、町の事務又は法定受託事務(地方自治法施行令第140条の5に定める事務を除く。)の執行が、合理的かつ効率的に行われているか、法令等の定めるところに従って適正に行われているかどうかを主眼として適時に実施するもの
(4) 財政援助団対等に対する監査(法第199条第7項の規定による監査)
財政的援助を与えている団体、出資、支払保証団体、信託の受託者及び公の施設の管理受託者に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、当該財政的援助等に係る出納その他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(5) 公金の収納又は支払事務に関する監査(法第235条の2第2項の規定による監査)
指定金融機関等に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、公金の収納又は支払の事務が、法令等の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの
(6) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条の規定による監査)
請求にかかる事務の執行について実施するもの
(7) 議会の要求に基づく監査(法第98条第2項の規定による監査)
要求に係る事務について実施するもの
(8) 町長の要求に基づく監査(法第199条第6項の規定による監査)
要求に係る事務の執行について実施するもの
(9) 住民監査請求に基づく監査(法第242条の規定による監査)
請求の内容について実施するもの
(10) 町長の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2第3項の規定による監査)
要求に係る事実の有無等について実施するもの
(検査)
第18条 検査の種類は、次に掲げるとおりとする。
例月現金出納検査(法第235条の2第1項の規定による検査)
会計管理者の保管する現金(歳入歳出外現金及び基金に属する現金を含む。以下同じ。)の在高及び出納関係諸表等の計数の正確性を検証するとともに、現金の出納事務が適正に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(審査)
第19条 審査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 決算審査(法第233条第2項の規定による審査)
決算その他関係諸表等の計数の正確性を検証するとともに、予算の執行又は事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 基金の運用状況審査(法第241条第5項の規定による審査)
基金の運用状況を示す書類の計数の正確性を検証するとともに、基金の運用が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
第2節 監査手続
(監査計画の作成)
第20条 年間監査計画は、次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 年間における実施予定の監査等の種類及び対象
(2) 監査等の対象別実施予定時期
(3) その他監査等の実施に関し必要と認める事項
2 実施計画は、監査等の種類別に次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 監査等の種類
(2) 監査等の対象
(3) 監査等の期間
(4) 監査等の担当者及び事務分担
(5) 監査等の基本方針
(6) 監査等の実施場所及び日程
(7) 監査等の項目及び着眼点
(8) 監査技術の選択
(9) その他監査等の実施上必要と認める事項
(事前通知)
第21条 監査等を実施するに当たっては、特別の場合を除き、町長又は関係のある行政委員会等の関係者に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知する。
(資料要求等)
第22条 監査等を実施するに当たっては、あらかじめ項目及び様式を定めて監査等に必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概要について説明を求める。
(事前研究)
第23条 監査等を実施するに当たっては、対象となる事務等についてあらかじめ関連法規等の調査研究を行い、基礎知識をかん養する。
2 前条の規定に基づき提出された資料について検討し、その問題点を把握する。
3 前回までの監査等における指摘内容及び問題点等を把握する。
(監査等の着眼点)
第24条 第20条第2項の規定に基づく実施計画において定める監査等の着眼点は、別項に定める監査等の着眼点のうちから適宜選択するものとする。ただし、監査等の対象が特殊又は異例なものについては、その都度監査等の項目及び着眼点を定めるものとする。
(監査技術の選択適用)
第26条 監査等は、書類、帳簿、証書類等に基づき、第27条の一般監査技術を適用するとともに、必要に応じて適宜個別監査技術及びその他の個別監査技術を選択適用して実施する。
第3節 監査技術
(監査技術)
第27条 監査技術は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 一般監査技術
ア 照合 証憑突合、帳簿突合及び計算突合等のように関係諸記録を相互に突き合わせ、その記録又は計算の正否を確かめること。
(2) 個別監査技術
ア 実査 事実の存否について、実地に現物検証、現場検証等によって直接検証すること。
イ 立会 主として物品等の在庫高調査又は実地棚卸しを行う際に、現場に立ち会い、その実施状況を視察して正否を確かめること。
ウ 確認 事実の存否について、写真その他の証拠書類、又は当該事項に関係のない第三者の証言等をもって確認すること。
エ 質問 事実の存否又は問題点について、監査対象課等の職員などに質問して、回答又は説明を求めること。
オ 分析 事実の性質、内容を究明し、これを構成要素別、時間別、比率別、問題別等に分析して異常の有無を確かめること。
カ 比較 年度別、時間別、関係要素別等による複数の数値を対照させて観察し、その異同を通じて問題点の有無を確かめること。
(3) その他の個別監査技術
ア 通査 帳簿等関係諸記録を一通り検討して、異常事項や例外事項を発見し、問題点を明らかにすること。
イ 比率吟味 財務分析上の比率法を応用して、記録の正否又は適否を大局的に判断すること。
ウ 調整 源泉を等しくし、相互に関連のある計数が別々に整理されている場合、それら2組の計数の過不足を追及し両者が事実上一致するかどうかを確かめること。
エ 総合 諸種の事実を総合して、総括的な観点から事実を判断すること。
第3章 監査等の講評並びに結果に関する報告
(監査等の講評)
第28条 監査等に基づく監査対象課等の長に対する講評は、原則として、監査等の結果に関する報告の決定の前に行い、これに対する弁明又は意見を聴取するものとする。
(報告書等の記載事項)
第29条 監査報告書、検査報告書又は審査意見書には、おおむね次の各号に掲げる事項を簡潔明瞭に記載する。
(1) 報告等の提出日付
(2) 監査等を実施した監査委員名
(3) 監査等の種類
(4) 監査等の概要
ア 監査等の実施期間
イ 監査等の対象とした課等又は事務所名若しくは事業所名(財政援助団体等にあっては団体名)
ウ 監査等の対象とした事項及び範囲(出資団体等にあっては採用している会計基準)
エ その他監査等の目的又は着眼点
(5) 監査等の結果
ア 監査等による事務の執行、事業の管理状況等についての意見
イ 指摘事項(分類整理するとともに必要に応じて助言、注意等を付記すること。)
(監査等の結果の処置)
第30条 監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見については、町長又は関係のある行政委員会等から適時措置状況報告を求めるものとする。
附則
この基準は、平成6年4月1日から施行する。
附則(平成12年4月1日監査告示第6号)
この基準は、平成12年4月1日から施行する。
附則(平成17年3月18日監査告示第3号)
この基準は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成19年3月27日監査告示第1号)
この基準は、平成19年4月1日から施行する。